千の風になって2007年06月12日 20時06分27秒

妻の家族が1月の間に2人(義兄、義父)亡くなりました。
そのころ「千の風になって」という歌が、すごい人気だという事を知り、
一度聴いてみましたが、その歌詞に何故か惹きつけられました。

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

あの大きな空を
吹きわたっています

身近な人間が死んでしまうという事は、こんなに悲しく辛いものなのか。
肉体は滅んでも、記憶は永遠に残された人の心に残っています。
亡くなった人が残された人に話しかけている内容ですが、
「私はいつでも、何処でも、あなたを見守ってあげているから、悲しま
ないで、心細がらないで、一生懸命生きなさい。」と言っています。
普通であれば、残された人の心情を歌にするのでしょうが、亡くなった人
の心情を歌にするなんて、今まで記憶が無かったものですから、すごく
新鮮な気持ちで歌を聴くことが出来ました。
ふと、この詩が出来た背景を調べたくなってWebを探しました。
新井満さんが友人の奥さんが亡くなった時に、友人を励ますために
外国の詩を翻訳し、作曲したものであるという事を知りました。
長くなりましたが、ここから原詩への旅が始まります。
どうも、作詞者は不詳のようですが、一説によると、原詩と言われる
A THOUSAND WINDS」は作者不詳の詩のようです。
英国では95年にBBCがIRAのテロの犠牲者となった青年が、自分が死ん
だ時に開封するよう両親に託した手紙に残されていた詩だと紹介され
大きな反響となったり、米国では同時多発テロの追悼式において、
テロで亡くなった父親を偲び11歳の少女がこの詩を朗読し、その際に
おいても大きな反響となるなどしています。
米紙によると、この作者不詳の詩は、77年に映画監督、ハワード・ホークス
の葬儀で俳優のジョン・ウェインが朗読したという話や、87年、女優
マリリン・モンローの25回忌にも朗読されたという話もあります。
さらに、19世紀末に米国に渡った英国人が残した詩という説や、
米国先住民から伝承された詩など、様々な諸説があります。
そして日本では、作家・新井満氏がこの詩「A THOUSAND WINDS」
と出会い、日本語の訳詞と曲をつけて発表しました。
その後様々なアーティストがバトンを繋ぐように歌い、現在は秋川雅史
が歌っています。
最後に、原詩を....

  A THOUSAND WINDS


 Do not stand at my grave and weep;
 I am not there, I do not sleep.

 I am a thousand winds that blow.
 I am the diamond glints on snow.
 I am the sunlight on ripened grain.
 I am the gentle autumn's rain.

 When you awaken in the morning's hush,
 I am the swift uplifting rush
 Of quiet birds in circled flight.
 I am the soft stars that shine at night.

 Do not stand at my grave and cry;
 I am not there, I did not die.