バベルの塔2005年10月11日 22時41分03秒

・小さい頃からどうしても気になる絵が1つあった。 それは、塔のような建物が、空に向かって伸びていく様子を 遠近感を利用して精密に微細に描かれていた。 その絵は一日中見ても、小さな発見があり、何故か心を引かれた。 その記憶をたどり、「古代都市」「絵画」「ユダヤ」など思いつくキーワードで ネット検索をしてみた。苦労の末それがピーテル・ブリューゲル※の「バベルの塔」だと判った。 ※16世紀のフランドル(旧フランドル伯領で、オランダ南部、ベルギー西部、フランス北部にかけての地域を指す。)の画家。 ・「バベルの塔」とは旧約聖書の『創世記』に出てくる伝説上の巨大な塔。古代メソポタミアの中心都市であったバビロン(アッカド語で神の門の意味)にあったといわれ、古代メソポタミアに多くみられたジッグラトという階段状の建造物だとも言われる。 実現不可能な天に届く塔を建設しようとして、崩れてしまったといわれることにちなんで、空想的で実現不可能な計画はバベルの塔ともいわれる。 宗教上の題材の一つ。 ・創世記11(旧約聖書第11章)で次のように記されている。 ノアの洪水の後、人間はみな、同じ言葉を話していた。 人間は石の代わりにレンガをつくり、漆喰の代わりにアスファルトを手に入れた。こうした技術の進歩は人間を傲慢にしていった。天まで届く塔のある町を建てて、有名になろうとしたのである。 神は、人間の高慢な企てを知り、心配し、怒った。そして人間の言葉を混乱(バラル)させた。 今日、世界中に多様な言葉が存在するのは、バベル(混乱)の塔を建てようとした人間の傲慢を、神が裁いた結果なのである。 ※結局この塔の建設は中止された。 ・塔の周囲の風景は民家や入り江に船があり、その小ささが、いっそうこの塔を巨大さを空想させる。さらに塔の頂上の雲が一層巨大さに拍車をかける。人々は主に膝まずき何かを懇願しているように見える。この絵は「天空の城ラピュタ」の題材になったとも言われている。 ブリューゲルは他にも2つの「バベルの塔」を描いたと言われている。 一つはMini版、もう一つは不明らしい。 この絵は現在ウィーン美術史美術館[オーストリア]に所蔵されている。